[SilkRoad_1 『ついにバレンシアへ!?』]
[SilkRoad_2 『シャカトゥゲートウェイ駅』]
[SilkRoad_3 『なまちこ準備完了』]
[SilkRoad_4 『砂漠進出 ~Progress~』]
[SilkRoad_5 『砂の塔 ~知らなさすぎた外人~』]
[SilkRoad_6 『Restarting of tears』]
[SilkRoad_7 『グチグチの実 (ロギア系)』]
[SilkRoad_8 『交易バフ前提クエスト Ⅰ』]
赤いマムシなのか、はたまた赤いサソリなのか。
それは依然として明かされないままのマルザナ様。
今や伏線としか思えぬこの謎が、ただの書き誤りである見込みは最早無い。
この大いなる物語に深く関わってくるはずだ。注意深く見守っていく所存である。
嗚呼、麗しきマルザナ様。
浅学ゆえに彼女から袖にされた私は、[会話に必要な知識]という不名誉極まりない名の付いたクエストを頂戴する。
『おバカに私を楽しませることなど不可能なのですサヨウナラ』
凄まじい低能扱いに身も心も辱められた私は、屈辱的な恰好のままテントの外へと放り出された。
苦難と快楽の狭間でお勉強の時間が始まる。五つも項目があるが尻込みしてはいられない。リアルの勉学と同じ様に、一つ一つ着実に片付けていくべし。
マルザナ様のテントを出てオアシス内をあちらこちらと彷徨っている内、このクエストとは無関係な知識ばかりが増えていった。
意外と困難だ。誰が目的の知識をくれる人物なのか?
本から得られるものが三つ。
人から得られるものが二つ。
なればこのオアシス内にその二人が居るはず。されど一向に見つかる気配が無い。
私はスッパリと潔く諦め、ツイッターで如何わしい衣装を身に纏うコスプレイヤーちゃま達を小一時間ほど鑑賞し、乳首※※※※※も上下に※※※※して※※※フェザータッチからの※※※※たことで※※※※勢いづきあわよくば※※※※※歯磨き粉で※※※※尊敬※※吉川晃司様※※※※※※お上品な※※味噌すらも※※※※をしっぽりと※※※これ幸い※※※※しようとした寸前で漸くこの商人を見つけた。
糞ぅ貴様、潜むどころかテントの真ん前に居たのか。無駄に探してしまった。
全く情けなし……金玉片方三百五十万円也、いや灯台下暗しとは正にこのこと也。
最後どうしてイッてしまったのか分からないが、もしかすると鹿の人達にとっては生態として普通の習慣なのかも知れないから、軽はずみに笑ったり出来まい。
単に寝取られ属性だからかも知れないが、それならば尚のこと馬鹿にしたくない。
鹿男は常時発情している。何処に居る奴でもそうだ。
もう必ずといっていいほど、
だらしなぁ~く鼻の下を伸ばし、
よからぬ考えを巡らせ中といった面持ちで、
女性を穴が開くほど見つめていたり、
執拗に付き纏っていたりする。
しかも何故かその恋慕は人族の女性へ向くことが多い。
頼むから色恋沙汰は鹿同士で行ってくれ――――などとのたまへば、この世界では人種差別主義者であるとしょっぴかれ、お奉行様から断罪の小言を頂戴するか問答無用で島流し若しくは打首獄門となり兼ねない。
それはそれとして、次の新クラスこそは鹿男で実装して欲しい。
鹿オリジナルのねっちょりとしたメインストーリーが用意されるはずなのだから。
或いはシャイ族♂きゅんでもいい。シャイ族♀ちゃんと合法的に番いたいし、人族のお姉さんとオネショタ風味なクエストを進行する中で、おにぎりよりも小さな拳をにぎにぎしてみせたいではないか。
しかし。もしシャイ族♀ちゃんで実装する予定等があるならば、それは是が非でもやめて欲しい。言うのも野暮だが、分かってないなー状態だからである。
こちらとしては飽く迄もシャイ族♂きゅんの視点で愉しみたいのであって――――
いや、それはいいとして……。両商団の不仲原因が、まさかこんな話だったとは。
なんてこった。私はいったい何に付き合わされているんだ。
てっきりシリアスな物事かと思っていたのに、オッサンが女にフラれたってだけの話ではないか。
しかしそう断ずるのは早計なり。
最初は犬すら食わぬ痴話喧嘩クラスだったとしても、年経る毎に猛然たる確執へと成長中なのかも知れない。
何しろ、今やこうして刃傷沙汰にまでコトが及んでしまったのだから、もう冗談で済まされる分水嶺はとうに踏み越えている。
そして未遂どころか、そこの砂丘んトコで倒れてる男は今頃やっぱ死んじゃってるかも知れぬのだし。
これから運命はどの様な趨勢を辿っていくのか。やはり由々しさ度合は薄れぬまま進むのやも知れぬ。
何れにせよ、この先も死体が増えることだけは確かだ。
……それは私である可能性も拭い去れない。
次の知識をくれるのは警護員の彼だ。話し掛けてみよう。
hmmmmm......糞奴というのは初めて聞く罵倒用語である。勉強になった。
おや、そなた今シルクロードと申したか? 記事のタイトルを補完して頂き忝い。
現実とは違った歴史を歩んできたこの世界に於いて、一文字すら違わぬ単語が発生する確率は果たしてどれほどのものか。
さぞかし絶無に近きものであるに相違ない。これこそが<奇跡>……なのだろう。
さて会話の続きを聞こう。
Next を押そうとしたその時、とてつもない事態が起こった。
彼はおもむろに振り返り――――
なんとそのまま歩き去ってしまったじゃないか。会話の途中なのにだ。
慌てて追い縋ったが、彼はもう何も話してくれない。
今のNextの向こう側にある台詞のスクショをどうにかして撮るべく私は奮闘した。
当クエストを破棄し再受諾。だがそれでも彼は仕切り直してくれない。
それはそうだろう。
最初に彼と会話を開始した時点で、クエストで必要とされる知識は入手済み扱いと化したのだから。
……無念。諦めざるを得まい。
私にとってこの警護員の台詞の続きは失われてしまった。永久(とわ)の彼方にだ。
しかしこの不親切設計は恐らくワザとなのである。
今はマルザナ様からのお仕置きプレイ中の様なものだ。全ての恥辱・枷・罰、その他もろもろは御褒美であり、もしかすると誉れですらあろう。これはデューティ。
最後は本三冊。
テント内には他にもこのクエストとは無関係の本が幾つかあり、四つん這いで全て読むと行動力を貰えた。
これでマルザナ様に御認め頂けるだろうか。
感無量とは正にこのこと。相手してもらえちゃう客に昇格したのであった。
ここからの更なる誹られタイムに期待しよう。
既に多くの犠牲があり、その上に立つマルザナ様。憂いに満ちた瞳は、どこぞのオッサンとはまるで格が違う。
好事家(こうずか)という単語も初め知り得た。マルザナ様と過ごす時間は全く以て為になる。
こちらとて御褒美を只で頂くつもりは御座らん。苦行は望むところ。
寧ろ、望むところ。
もっともっと苦しめて下さい……え? きょ、巨大サソリですと? 御無体な。
大丈夫だ。問題無い。大丈夫じゃなくても問題無い。
このオアシスまで来る途中、小さなサソリなら何体か倒した。
今度は巨大な個体が相手というだけの話。為せば成る。最早これまで。
地図のマークを見るとオアシスのすぐ近くに居る様だ。覚悟を決めていざ行かん。
果たしてバレンシア砂漠の強敵に太刀打ち出来得るのであろうか!?
ちゃ~らっちゃ~。
今語ろう!! 砂漠に芽吹く交尾の伝説!!
世紀末の乱世を駆け抜けた紅きサソリと緑のマムシは不滅なり!!
迫り来る悪党どもに群がる七万人のケンシロウども!!
さらばラクディウス!! 宿命は最早止まらない!!
次回、シルクロードつうぅぅ~。
『親方、空から死兆星が!!』
北斗の掟は、俺が守る。
次回 [SilkRoad_10 『貿易バフ前提クエスト Ⅲ』]
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