2018年1月13日土曜日

珊瑚の欠片ひい 0/100個



全ての人々がお金持ちに。
そんな世界はあり得ない。

貧しき者たちが居るから、
富める者が存在できるのである。





もしも、
民の皆総てが大富豪になったら?
それはただの"平等"だ。
フィクションの中にしかないディストピアだ。

もしも、
プレイヤー全員がキャンプ出来たら?
フィールドはテントであふれ返ってしまう。
この美しい世界の景観を損なうのだ。




なるほど。
そういうからくりだったのか。

それなら確かに
この選民仕様も必要なわけだ。

[キャンプ みはりめ]☜(⁰ ᴗ⁰ )前の記事参照plz

納得せざるを得ない。
だが、
それでも……。

己が選ばれなかった側に立たされた時、
人は、
頭では納得出来ても、
心でも納得出来るだろうか。



私は、
テント張れてる奴らへの羨望を
抑えようもなく目いっぱい引きずりながら、
海の底深く潜っていく。

息切れと
戦いながら。

ASMRを
聴きながら。




ahhh...ぞわぞわ大好きぃ~💚
まぁ、寄せては返す波の音に聴こえもするのでね。


お気に入りの渡し船でベリア港から、
真っ黒な大海原へ漕ぎ出した私は、

陸地が離れていくの……怖くなってきたので、
そこからほど近い小島に船を停めた。

自然に形成されたものとは思えないほどに、
くぅーっきりと縦に模様の分かれた岩が
とても印象的ではないか。

では与えられた仕事をそろそろ始めていこう。
浅めの海だと思っていたが、海溝の様に深いところもある。
吸い込まれそうだ。

く、くくぅ。息苦しい。
オットセイのエリクサーも持ってきたが、
1つも珊瑚を見つけてないのだから
まだ使うわけには……く、くくぅ。

はっ、はぅうぅッ。ごほ、ごほっ。はぁ、はぁ。
ふう。
死んじゃうかと思った……。

よし、気を取り直してもう1回!

私は何度も何度も、
潜っては浮かんでは
潜っては浮かんでは
幾度となく繰り返して繰り返した。
いっぱいいっぱい頑張った。

息はそれで何とかなっても、
もうひとつのゲージは確実に削られていく。
しまった……。
スタミナ切れのうっかりさんは、
広い海の上でドン亀になっちゃった。

でも、奇跡。
船で通りかかったNPCさんが助けてくれた。
私が勝手に乗っただけだけど。

珊瑚は、
まったく見つからない。

海へ潜れば珊瑚だらけ。
私はそう思っていた。
珊瑚の欠片? そんなもの……
見つかる気配の欠片すらも見つからない。

考え無しの行動も楽しいけれど、
今回は少しやり方を変える必要があるかも。

何も知らない世界を楽しみたい。

それを楽しんでいく過程こそが
ゲームなのだ。

それを調べてからログインするなんて
どうかしてる。

せっかくの楽しさ。
試行錯誤していく楽しさ。
そうして成功した時の楽しさ。

調べてしまったら、
そのせっかくの楽しさとやらは、
もう海の藻屑だ。

成功しても、
それは駒を指南書どおりに進めただけ。
自分で成し遂げたことではない。


『事前に調べてから参加しろよ素人が』


そんな風に曰う浅はかな奴も居る世界だが、
調べてしまったら、
得られていたはずの楽しさを
自らスポイルしちゃってるの気づいてないのかな。

私は、
『ゲーム』がしたいのだ。
『作業』がしたいわけではない。
君とは違うのだよ。


だが仕方ない。
今回は仕方ないよ。

少し癪だが、
ネットで調べるか。




本日の珊瑚 0/100個


[珊瑚の欠片ふう ?/100個]

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