[珊瑚の欠片ひい 0/100個]
[珊瑚の欠片ふう 7/100個]
[珊瑚の欠片みい 13/100個]
[珊瑚の欠片YO 13/100個]
[珊瑚の欠片いつ 27/100個]
[珊瑚の欠片むう 62/100個]
[珊瑚の欠片なの① 62/100個]
[珊瑚の欠片なの② 62/100個]
[珊瑚の欠片なの番外編 佐々木先生(1巻)]
[珊瑚の欠片なの番外編 佐々木先生(2巻)]
[珊瑚の欠片なの番外編 佐々木先生(3巻)]
[珊瑚の欠片なの番外編 佐々木先生(4巻)]
さて。明日は、いや0時はとうに過ぎているから今日だな。今日は大事な日だ。カワイターノちゃんがボキュのモノになってくれる運命の一日になるのだから。
うーむ興奮して眠れない。まるで遠足の前日みたいな気分だ。
暇つぶしに整地でもするか。
Minecraft に於ける『整地』は、現実世界のそれとほぼ同じ意味である。正四面体のブロックだけで美しく風景を表現した凹凸。それを台無しの真っ平らに地均ししてしてしまうことだ。
よくそんな面倒な真似をと思うかも知れないが、人によってはこれが精神安定剤になっていたりするのだ。甚大なる時間を浪費して、広大な面積を平らにした時の達成感と言ったらない。
おや、海に沈むあの八角形は何だ?
水抜きの途中みたいだな。何を建造する気なのか解らないが、続きをやってやろうじゃないか。
よし順調だ。今はスポンジブロックがあるから海の水抜きも楽だな。
こんなところかな。あえて全部やってしまわず、最後の仕上げはカワイターノちゃんに任せる。これぞ教師のあるべき姿。
さて整地に戻ろう。
ふー……疲れたから整地もこのくらいでいいかな。まだ途中だが続きは彼女がやるだろう。次は空いたスペースに住宅街でも作ろうか。
同じ形の物が並んでいる光景は落ち着く。揃いの制服で整列中の生徒たちを見下ろしている気分だ。
教師たるもの生徒たちに個性など求めない。寧ろ個性など殺して能力を均一化していくのが我々の仕事なのだ。そうすれば楽だからな色々と。
住宅街の完成だ。カワイターノちゃんが大切にしてる町は、この一晩で随分発展したぞ。きっと喜んでくれるに違いない。
あッ……。こ、国旗だ。この家、日の丸を掲揚してる。むむむむ。外しておこう。
んんぅう、これはマズいですよ。日教組の組合員として、右寄りな生徒を見過ごしておけない。
カワイターノちゃんには教育的指導が必要なのかも。必要であってくれ。ああ教育したい指導したい。ふふふ。飽く迄も、教育的な、指導さ。うふふぎゅふ。
もしかするとマップの他の場所にも、いけないものがあるかも知れない。
少し見て回るか。
至る所がバージョンの壁・切り立った断崖によって囲まれ、これはこれで絶景というか……壮大で美しい景色にも思えてくるが、
この地形はいったい? どのパラメータをどうイジればこんな石の塔を並べた謎バイオームが生成されるんだろう。
メサ(カラー粘土ブロックだけで構成されたバイオーム)も見つからなかったんだ。これもキノコ島と同じく他のマップから無理矢理持ってきた跡が残っている。
そしてこの巨大なネザーも接続物だ。内側から見る地獄は圧迫感のある空間だが、こうして外側から離れて眺めるとアリの巣の観察キットみたいである。
地獄に突如出現されてしまった砂漠の村。見渡す限り砂だけだった頃、オアシスに築かれた此処は穏やかな景観をたたえいたであろうに。
地獄の淵に住まねばならなくなった村人たちの心地を慮ると可哀想でならない。きっと気が休まる暇も無く、毎日乳首勃ちっぱなしで過ごしているのだろう。
暫く行くと草原地帯に別の村を見つけた。アイアンゴーレムを出現させて鉄を精製する工場もある。住む所だけがある村人に、働ける場所も用意したってワケだな。
あとは稼いだ金を使える区画があれば完璧なんだが。例えば風ぞk……動物園とか。
ゴーレムを流す水路を辿っていくとイカちゃんが居た。
イカちゃんは巨大な水槽に張り付けられたパネルだった。
何のための構造物かと眺めていると、
暫くしてからゴーレムがそのイカちゃん水槽に落ちてきた。上の円盤と横の球体は、これまた鉄ゴーレムを湧出させるための装置であるらしい。
ゴーレムたちは更に水路で運ばれていく。何だ此処は……。
近寄ってみると、他にも多くの鉄ゴーレムを発生させる施設が点在、いや密集していた。
全ての施設から水路が伸び、複雑に交差している。
生まれたばかりのゴーレムをベルトコンベアの様に水路が運んでいく。
一つの所へ……。
それが此処だ。何と言う残酷な光景だろう。スイッチ一つで溶鉱炉に流し込む仕組みがある。
いったいどれほどのゴーレム湧出施設を接続してるんだろう。数えてみた。
なんと12機も稼働している。大量の命を奪って鉄素材に変える巨大工業区画だ。
工場に併設された牧場。カラフルな羊たちが囲われている。此処の従業員はきっと毎日ジンギスカンを食べさせられるんだろう。
北海道札幌市の羊ケ丘という場所にも、羊を観ながらジンギスカンを食べられるレストランがある。クラーク像が目印だ。行ってみて大志を抱くといいだろう。
ところで、このデカいボックスは何だ?
縦横を数えてみると、どちらも丁度100ブロックだった。つまり1面が1万ブロックでそれが6面だから、カワイターノちゃんはなんと6万ブロックもの資材を並べたということか。本当に変態だ。
内部はレッドストーン回路の実験場みたいな空間だった。せっかくの高い空間がほぼ無駄になっている。
ボックスの下には住居がある。日照権も何もあったものではない。
小便小僧、だろうか。ちんぽこの突起が欲求不満を感じさせる。
施設最上部にある構造物は、ゴーレムとは無関係のモンスタートラップ施設である様だ。
暗室の湧き層は4つか5つ。それが複雑に絡み合っている。
レバーがあったのでONにしてみると、ピカピカと至る所が点滅し始めた。ガシャコンガシャコンとモンスターを一か所に集める回路が駆動し出す。
此処は命を奪うマシーンの大集合区画だ。人の心を癒すものは何も無い。
他の場所へ行こう。
整地だけしてまだ何も作っていない雪原。此処にもきっとカワイターノちゃんが何か変な物を建てていくのだろう。
これからボキュはそれを隣で眺めていられるのだ。そして命を奪わない、優しい気持ちになれる物を作らせたい。
ジャングル地帯には一見何も構造物が無い様に見えたが、地下には――――
凄まじい規模の空間が広がっていた。キミは本当に変態だなカワイターノちゃん。
何だこの施設は。この大きな筐体の中身は?
中にはモンスターのスポナーが収められていた。どうやら地下で見つけたスポナーブロックを全部掘り返した結果として、この巨大空間が出来上がったらしい。
ポップしたモンスター達を水流で流し、一か所に集めて処理する機構が作りかけてある。
細く伸びる通路を含めればどこまでも続く地下施設は、呆けて歩いていたら迷子になってしまいそうだ。
最奥部にはワンちゃんが佇んでいた。この真っ赤な部屋での暮しに興奮しちゃわないのだろうか。ちんちんビンビンになっちゃわないのだろうか。
ボキュはなっちゃいそうだよ。もう地上に出よう。またねワンちゃん。次はキミの御主人のステディとして来るから待っててね。
何だか彼女のマップには、途中まで作って飽きてやめた様な構造物がたくさんあるみたいだ。
砂漠地帯にはピラミッドがあり、その隣の施設はトロッコ駅らしい。きっとピラミッド前という駅名に違いない。
ピラミッド前駅のホームには、
怪しげに蠢く看板が並んでいた。あまり乗客を歓迎している雰囲気ではない。
ピラミッドを回り込んでみると、初音ミクちゃんがあった。やっと癒されたよ。
そして豚も居たので、
乗って移動してみた。
む、むむ?
何だこれは。
とても不穏な物体を見つけてしまった。
こ、これはいけない。旭日旗だ。大日本帝国時代の海軍旗じゃないか。カワイターノちゃぁ~ん! 駄目だよう。駄目駄目駄目ぇ。やっぱりあったよこんなあってはならないものが! 思想アウトだよカワイターノちゃん! 日教組として許せん!
……あっ、ああっ!
別の場所にはハーケン・クロイツまで……。あわわこれは卍じゃない。完全にハーケン・クロイツだ。こ、こりゃぁ~なっちぃ~な。凄くなっちぃ~ぞ。カワイターノちゃんは危険思想の持ち主なのか? これは念入りな指導が必要だ。ね・ん・い・り・な・ね。日教組としてね!
他にはんん?
これは……溶岩で作った、男根? なんて卑猥な物を作るんだカワイターノちゃん。いけないよ。
あーこれも男根だ。
木の上に木を植えて、その上にまた木を植えてを繰り返して限界高度まで育てた樹木に見える。しかしこれも、男根を模した物に違いない。彼女はよほど男根を形作るのが好きみたいだ。たまってるのかな。
うわぁ……まただ。
男根好き過ぎだろう。どうなってるんだ彼女は。
男根の塔ばかり勃てゴホン建ておって。しかもこんなに長いのばっかりを。
でも大丈夫だよ。心配しないで。その欲求不満、すぐにボキュが解消してあげるからね! 日教組としてね!
ん、ん? なんだこれは。ちんぽ塔の屋上にブログ用という看板がある。何かの数字混じりな文字列も書いてあるな。検索してみよう。
おお、彼女のマイクラブログが出てきた。これは読んでしまうしかないな。
ほうほう。四川省の黄龍風景区を造っているのか。2014年とは何だ? エリアン歴ではない様だが。
むむ。開幕から独りで会話し始めた。心配だ。
知らんがな。四川省どこいった。
そうそう。普段から思ってたけど、目標を見失いがちだからねキミは。ちゃんと初心貫徹を目指さなければ。
魔法陣出来てきた^^ じゃないよ! おい初心! 魔法陣の方向へ行っちゃ駄目だ! 四川省のやつ作ってるんだろう? 戻って来い!
こりゃまた凄まじい規模の魔法陣だな。
陣の中心に何か作るらしい。
煉瓦と本棚が積み上がっていくぞ。
巨大本屋さんか?
おお、四川省のことを思い出したらしい。アレンジがややキツいがちゃんと黄龍風景区っぽいぞ凄く。
YO! 教室でもネットでも同じテンションなんだな。
これは? 不可解な物体を黄龍の上に盛り始めたぞ。
うお、真四角ブロックの世界で斜めのリングを描きおった。少々難易度が高い工作だぞやるじゃないか。そーゆー努力を勉強にも少しでいーから回してくれ。
地図で魔法陣を眺めて満足している御様子だ。
ふむふむ。ブログはほぼマイクラのことだけみたいだが、別の日には何を書いてるんだろう。
例の6万ブロックの巨大ボックスについて書いてる日を見つけた。
まさかとは思ったがアドベンジャーモードで作っていたらしい。次々と木材にされる周囲のジャングルが剥げていくと記してある。
もともとはキノコ暗室を何層にも重ねた施設にしようとしていたらしい。それで高さが無駄になっていたのか。
残酷ベルトコンベアの水路の建設も同時にやっていたみたいだな。彼女も気分転換に別の構造物を作ったりするらしい。ボキュと一緒だ。
遂に1面を貼ってしまった。
その後は壁貼りをしながら、学校での日常について話し始めたぞ。
もしかして、担任の先生であるボキュのことを書いたりしてないかな?
……してないな。
まぁでもそうだよな。学校の先生が好きだとか、そんなインモラル気味な心境は流石に投降しないよな。
あ、ああ! 男子から告白されたとか書いてある。
あ、ああ……でも、マイクラで忙しいからと断った様だ。ふう、良かった。
うーんボキュとしては安心したけれどしかし、その男子はゲーム忙しいって理由で失恋してどんな気分だったろう。
その男子について語っているところで、スイカとカボチャの自動収穫タワーがそそり立っていった。やっぱり男子のこと考えてる時はタワー建てちゃうんだな。
そのスイカボチャタワーが建造中のトラップタワーに近すぎた為、モンスターの湧出が競合して悪影響を与えてしまっているとか何とか書かれている。
ふむ。この地区の建築日記はやはり長いな。読むのは後回しにしよう。
どれどれ他の日には……うわわ!?
なんなのこの呪われた呪文は。怖いよ。途中までしか打てない? 何のことだ。
なるほど。コマンドブロックの説明をしてるのか。どうして例文でよりによってルイズ呪文選んじゃったんだろう。
それで、コマンドブロックを使ってどんなことをするつもりなんだ。
ふーむふむ。複雑なコマンドで文字列を打ち込み始めたぞ。おそらく通常では入手できない何かのアイテムを生み出すコマンドだ。
とんでもない物を作成しおった。装備すると移動速度が900万パーセントになるダイヤの剣だ。そんなもの持ってマップを飛び回ったらデータが破損してしまうぞ。
よ、よせ! やめるんだ!
うわあああああ!
ほら言わんこっちゃない。
その後暫く十数日間ほどは、マップを無駄に広げてしまったことをひたすら嘆く文章が続いている。どうやらバックアップを怠っていたから巻き戻せないらしい。
『全ての人がみんな地獄に堕ちろ!』
という記述を最後に日記の更新は1ヶ月ほど途絶え――――
『ブログ引っ越しました』のご案内だ。
そのリンク先は、
FF14ブログになっていた。
くう。マイクラブログも長かったが……
こ、このブログも馬鹿長いぞ。
とても全部読みきれん。
そうだ。どうせボキュたちは今日以降付き合うんだから、別に今読み切らなきゃと焦らなくていいんだった。
ブログは今日彼女の端末を返したあとで、また改めて読み進めよう。
取り敢えず、今は彼女の端末が無ければ出来ないことを……いや、もうそんなものは無いな。彼女のマップは無目的に広がっている様だし、これ以上見て回っても仕方がない。
というかもう出勤時間だな。
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