2018年9月11日火曜日

指切って混乱



さっき指切りました。じゃがいもの皮を剥いていたら、左手の人差し指をちょっぴりスライスしてしまったのです。ちょっぴりといっても結構血が出ています。滴っています。じゃがいもが血まみれになっています。指切っちゃうとか久々にやらかしてしまいました。私は絆創膏を取りに行かねばと思い、指を洗いました。すると指が綺麗になったので、やっぱりじゃがいもの皮剥きを続行することにしました。んで剥き剥きしていると、血が滴ってきました。私はじゃがいもの皮剥いてる場合じゃないと思い、絆創膏を取りに行くべく取り敢えず指を洗いました。再び指が綺麗になり私は混乱しました。む、じゃがいもの皮を剥こう? いやいや絆創膏を取りに行こう? どうしたらいいか分かりません。何しろ指を切っちゃうなんて久しぶり過ぎて軽くショックを受けているのです。こういう時こそ落ち着いて対処せねばと思っているのですが、脳内は皮剥きの続行か絆創膏を取りに行くべきかの二つのタスクでフリーズしてるのです。



大混乱の中、いかに行動力消費を少なく対処すべきかなんて考え始めます。絆創膏を貼る前に水使う仕事を終わらせた方が良いのでは? しかし指に気をつけて剥き剥きしていても、じゃがいもに血が付いてしまう。やはり絆創膏を取りにいくべきでしょう。でもそれでは絆創膏貼った状態でじゃがいもの皮剥きをせねばならないわけで、そうなると1回目の絆創膏は水に濡れて無駄になってしまうのでは。となれば私はその後で絆創膏をもう一度取りに行かねばならないのです。2回絆創膏を消費するか、それともじゃがいもを先に倒してしまうべきだろうかと脳内で争っている中、私の中には皮剥き器に対して復讐すべきだろうかという益体も無い選択肢も浮かんでは消え浮かんでは消えとうろうろし始め、ますます混乱の度合いが色濃くなっていきます。皮剥き器さんは何も悪くありません。私は癇癪を起こして物に当たる様な人格ではないはず。そんな理不尽な真似はしません。でも突発的な世界では理不尽に気づかないものなのです。そんなことよりも絆創膏を取りに行かねばなりません。指をいったん綺麗に洗い、絆創膏を貼らねば。この時、水で繰り返し指を洗うことで血の凝固を妨げているのには全く気付いてません。私は大混乱の中で偉人の言葉を思い出します。


魔法使いは味方がどんなに混乱してても一人落ち着いて周りを見て今一番有効な魔法を使うものだって。そんな様な台詞をダイの大冒険のポップさんの師匠さんが言ってた気がするのです。私は人生の中で今こそがそうすべき時だと冷静に周囲を見渡しました。絆創膏が入っている箱までの距離はおよそ2メートル半。指からは血が滴っている。皮を剥かねばならないじゃがいものの数は残り2つ。ここはやはりじゃがいものの皮剥きを最優先事項にすべきだろうか。じゃがいものを倒してから絆創膏を取りに行くとして、しかし血が滴っているので私は絆創膏を取りに行くのを最優先事項にすべきなのか。何が何やら分からないので取り敢えず皮剥き器を破壊してスッキリするのを最優先事項にしてみるのも一つの手なのでは。どれを最優先事項にしたらいいのかさっぱり分からない。私は再び混乱しました。ポップさんの師匠さんの御言葉がまるで役に立ちません。そもそも魔法使いという後衛の立場なら落ち着いて状況を俯瞰することも出来ようものですが、こちとら前衛で血が流れてる最中なんです。私のキャラクタービルドはどうやら前衛寄りらしいので、流れる血を前に筋肉で出来た脳味噌がムキムキで剥き剥きしたらいいのか、それとも絆創膏を取りに行くべきなのか、もう何が何やらやっぱりさっぱり分かり兼ねます。そんな中で小さ目の余震がきたりして「お」なんて発声しつつ、血が付いたじゃがいもを洗って、指を気にしてる内にじゃがいも剥きが終わりました。私は皮剥き器を壊すことも無く綺麗に洗い水切りかごに入れてから絆創膏を取りに行きましたが、その頃には血が止まっていました。あー良かったオチはありませんべろべろばー。



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